歯周病の原因

歯周病はプラーク（歯垢）の中の原因菌が産生する毒素により、歯肉の組織の破壊と歯を支える骨（歯槽骨）の吸収が起きる病気で、歯石沈着を伴うことにより、細菌の定着・増殖の場となり、為害作用が増強します。
著明な症状がないまま進行するため、気がついた時には手遅れとなり、中高年ではムシ歯よりも歯周病で歯を失うことが多くなっています。

現在歯周病は、糖尿病との関連性が明確となり、糖尿病の合併症の一つであり、生活習慣病にも位置付けされています。歯周病の予防・進行抑制には、定期健診による歯石・歯垢の除去や、長期にわたるメインテナンス、そして何よりも患者さんの日頃のブラッシングと予防しようという意識が大切です。

歯周病の程度と治療

当院では、特に歯周病の予防と管理に取り組んでいます。

歯周病の程度	主な症状	治療法（保険適用）
プラーク性歯肉炎	プラークの代謝産物の刺激に対する歯肉の炎症性反応が起きる。 炎症は歯肉に限局し、発赤・腫脹を起こす。 小学生～高校性に多い。 歯槽骨の吸収はない。 歯周ポケットは仮性ポケット。	ブラッシング指導 歯石除去 プラーク・コントロール 定期健診による予後観察
軽度歯周炎	炎症は歯肉から歯槽骨へ波及。 歯肉の発赤・腫脹の範囲が拡大。 歯磨きの時に時々出血する。 歯周ポケットは真性ポケットで3～5mm程度。 歯槽骨の吸収は歯根の長さの1/3以下で起こる。 歯のグラつきはわずか。	ブラッシング指導 プラーク・コントロール 歯の根面の歯石除去と滑沢化 定期健診による進行予防処置と予後観察
中度歯周炎	歯磨きの時によく出血する。 歯周ポケットは4～7mm程度。 歯茎から膿が出ることがある。 歯槽骨の吸収は歯根の長さの1/3～1/2程度起こる。 歯のグラつきが前後または左右に起こる。歯が浮いた感じがする。 口の中がネバネバする	ブラッシング指導 プラーク・コントロール 歯の根面の歯石除去と滑沢化 歯周外科手術 定期健診による進行予防処置と予後観察
重度歯周炎	食べ物が噛めない。 歯茎は赤く腫れてブヨブヨする。 口臭が強い。 常に口の中がネバネバする。 歯周ポケットは6mm～10mm以上に及ぶ。 歯のグラつきは著しい。 歯槽骨の吸収は歯根の長さの1/2以上になる。	抜歯の可能性が高くなる。 自然に抜け落ちることもある。

詳しくは、待合室にある「歯周病を治そう」をご覧ください。

歯周病治療の基本的な取り組みについて

原因の除去

歯科医師、歯科衛生士、患者が協力してプラークを取り除く

修復因子の除去

歯石除去、不適合な詰め物・被せ物の改善、歯周ポケットの除去

病状の安定化とメインテナンス

歯周安定期治療または年2～3回程度の検診とプロフェショナルケア

歯周病治療の基本的な流れ

1. ① 歯周組織検査による診断

   レントゲン等による画像診断と歯のグラつきと歯と歯茎の境目の「歯周ポケット」の深さを測定し、歯周病の進行状況を把握します。

2. ② 歯周基本治療

   治療計画を立案し、歯石除去や歯面清掃、ブラッシング指導等を行い、歯周組織検査や口腔清掃状態によってその後の治療計画を修正、決定します。

3. ③ 歯周外科治療

   歯周組織検査により中等度歯周炎以上に進行した場合、歯周病の状態に応じて外科処置を行います。

4. ④ メインテナンス

   歯周病の予防、進行抑制には歯周治療後の長期メインテナンスが重要になります。
   歯周病の進行および病状に応じてメインテナンスの方法、インターバルを決定します。

• 虫歯・つめ物・かぶせ物
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• 入れ歯
• 睡眠時無呼吸症候群
• その他（歯ぎしり、顎関節症、
  マウスガード、ホワイトニング等）